Kenny Wheeler考

そんなにおおげさなものでもないけど、Kenny Wheelerについて少し。
ちょっと前にid:tristanoさんとKenny Wheelerについてコメントを持つ機会があったのだけど、id:tristanoさんはその際に僕が推した『Gnu High』に対して一言、"Excellent."と記して下さった。こういうはてなの中での音楽でのインターアクションはなかなか貴重なので素直に嬉しいと思うし、大事にしていきたいと思う。

そこで僕も改めてKenny Wheelerの凄さについて考えようと思ったのだが――Kenny Wheeler自体それほど一般的な知名度はないので興味のない方は無視して下さっても構わない――彼の演奏における注目されるべき特徴をまとめるならば、簡潔に次の2点に集約されると思う。

  1. ソロのタイム感
  2. ソロ時のインスピレーション

2.については僕自身他人に説明できるほど音楽理論を理解していないので実際にCDなどで感じてもらうしかないが、1.のタイム感に関しては解説に数行を割きたい。Wheelerのアドリブは音階的にもそうだが、何よりフレーズのタイム感が他のミュージシャンと全然違うのだ。リズムに対してインしたりアウトしたりが激しく、またそれが絶妙なのだ。さらにリズムに束縛されずにソロを取っているようでいて、実際にはものすごくリズムに乗っている、つまり総体的に「ノリ」がいいのがWheelerのアドリブの本質ではないか。どうやったらあんなふうに吹けるのか、まるで見当もつかない。
そういった部分の素晴らしさが良く表れている盤として、僕はKenny Wheelerのアルバムの中で『Gnu High』をやはり推します。バックも最高なので。以上。