Franco Ambrosetti『European Legacy』(enja)

実は先週の木曜日に県民会館裏のサウンドユーでAmbrosettiの新譜を購入していた。国内盤を先日さんざこき下ろした僕だけど、\500引きだったのでとうとう買ってしまった。我ながら現金なものである。他にも2枚買ったのだが、週末はジャズフェスが忙しくてあまり聴けなかったので昨日まとめて聴いた。

  • Franco Ambrosetti『European Legacy』(enja)
  • Recorded on June 15 & 16, 2001.
  • Franco Ambrosetti(tp), Gianluka Ambrosetti(ss), Dado Moroni(p), Francois Moutin(b), Daniel Humair(ds)
  • 1.Consolation 2.Waltzing with Flavia 3.Tu Te Laisse Aller 4.Suenos 5.Leontine 6.Don't be Silli 7.Flagellation, Too 8.L'irriducibilita 9.Danny and Dado in Arlen 10.Spherical Harmonics 11.Hymne A L'amour 12.Si, Lo Sapero 13.The Smart Went Crazy 14. Giro Giro Tondo

録音は2年前のもので発売まで少し期間があいたが、それでも比較的新しい録音と言えよう。もう彼も60歳を過ぎたはずだが、この盤を聴いてもほとんど衰えが感じられなかった。ちなみに日本語のライナーによるとsaxのGianlukaはFrancoの息子だそうだ。
この演奏は、タイトルからもわかるのだが、ヨーロッパには様々なミュージシャンがいて彼らとの交流があったから今の自分があるのでありどうしたこうした的コンセプトに基づいているようである。曲も本人のオリジナルとメンバーのオリジナル、それにKenny WheelerFurio Di CastriGeorge Gruntzの曲、ヨーロッパのトラディショナルで構成されている。演奏自体もワルツあり、フリーあり、デュオありと変化に富んでいる。ただ統一感がないとも言えるかもしれない。演奏の質はというと、Francoは言うまでもないが、GianlukaのSopranoが非常に良い。まず音がいい。Francoの前作にもSopranoだけで参加しているので、おそらくマルチはやらないのかもしれない。アドリブの着想も父親譲りであるようだ。
Francoが好きなら買いである。ただ1曲目のKenny Wheelerの曲に過度の期待をすると損した気分になるかもしれない。このConsolationという曲は、Music For Large And Small Ensembles/Kenny Wheeler(ECM)のDisc-1の5トラック目の曲(Norma WinstoneのVoiceで始まる曲)なのだが、こっちが本当に素晴らしい演奏なので、Francoの演奏は少々物量不足の感がある。加えて演奏時間も短めである。それでもよければぜひ買いましょう。ちなみに国内盤の定価は\2520であります。僕はそこまで高いとは思いませんでした。あ、\500引きで買ったんだっけ。