三誌よりピックアップ

新潮一月号はなんといっても「外国文学は『役に立つ』のか?」だろう。シンポジウムの内容の七割ほどが載っている。パネリスト持参の文章の朗読の部分がカットされたのはもったいないなあ。せめて誰が何を読んだかを載せて欲しかった。そういえば、ロシア人の村上春樹翻訳家の質問がほぼ完璧に近い形で掲載されている。貴重かも。
他には舞城王太郎の『スクールアタック・シンドローム』がよかったかも。
群像一月号の三浦雅士の「出生の秘密」、これは村上春樹論なのだろうか?続きを読まないとわからないと思うけど。まず丸谷才一の『樹影譚』という短篇の解説をした後、『若い読者のための短編小説案内』の中で村上春樹がこの作品を取り上げている、ということについて言及している。まあ気になる人は読んでみてください。僕はというと、この評論を読むために『若い読者のための短編小説案内』(ISBN:4163533206)を読まないとなあと思っている(一応持ってはいる)ところで、さらにはこの本に載っている元の短篇を読まないとなあと思っているところ。三度手間だなあ、うーん。
そういえばこれにも舞城王太郎の小説載ってるのね。まだ読んでないけど。
文學界一月号は、まだ柴田元幸の「チャールズ・シミックの世界」しか読んでいない。なかなか面白い。シミックのエッセイ「私はなぜある種の詩をその他の詩より好むか」を訳しているけど、そういえばこの文章をシンポジウムで朗読してたな。