「げんしけん」はいいさね

久々に新しい漫画を買う。「げんしけん」である。僕は「はじめの一歩」と福本伸行の作品ぐらいしか新刊で買う漫画はないのだが(人はそれを惰性と言う)、ふとしたきっかけで買ってしまった。というのも先日発売されたアフタヌーンの表紙を見て「あれ、『げんしけん』ってどっかで見たな」と思い、ちらっと立ち読みしたらツボに入って買ってしまった。実はアフタヌーンの漫画は「寄生獣」ぐらいしか読んだことなかったのでアフタヌーン自体敬遠していたのだ。ところが結構面白い。
以下に私的な「げんしけん」の感想を記すが、もし読もうと思っている人は色々と差っ引いて読んでもらいたい。こちとら11年間「はじめの一歩」を単行本になるたびに欠かさず買っているような人間なので、なかなか理解度が低いかもしれない。つまりは普通の漫画読みの感想である。
ストーリー自体は同人文化を「消費するだけ」の半オタク部員が集まる「げんしけん」という大学のサークルで起こる事件を扱った一話完結ものなのだが、そこにいわゆるオタクではない一般人(特に春日部)の視点が入り込んでいてなかなか読ませる漫画だ、と個人的に思う。色々なところで言われていることかもしれないが、この漫画は春日部という非オタクキャラがいなければ全く成立しないオタク漫画ではないか。このへんの「オタク・半オタク・非オタク」の境界線を描くのがこの漫画のキモと言えそうである。
僕はいわゆるオタク文化(「いわゆるオタク」っていう表現はなんだか偏視的だな)には全然近づいてこなかった人間だけど、なんというか最近そういったものに触れる機会が多くなってきた。世の中の流れ、と言ってしまえばそれまでなのかもしれないけど。理解できないと思うことも多々あるが、「個人的な趣味」という言葉では彼らは括れないな、とも思う。
最近、東さんや大塚英志氏の文章を読む機会が増えた。というか、これまでも気付かないうちに目にしていた。これからももっと増えるだろうし、彼らのフォロワーなんかも登場して文壇をさわがしたりするのだろう(今も探せばうじゃうじゃいるだろう。敢えて探さないだけです)。そうこうするうちに、冗談じゃなくてガンダムエヴァンゲリオンなんかが本当のコモンセンスになる時代が来るかもしれない。今の僕は不勉強にして(?)そのどちらもよく知らないのだけど、まあとりあえずそういうのも面白そうだな、とこの歳にして思ったことを記しておく。
うん、そんなに漫画やオタクに詳しくもないのに、なんかそれっぽいことを書いてみた。